彼は深いキスをしながら、私をベッドの方に追い立てていく。
ベッドに膝裏がつき、自然と座る形になった。進藤さんとの距離が完全にゼロになる。
もしや、このまま、こんな真昼間から、そういうことになっちゃうの?
心臓が爆発しそう。息も苦しくて、なんだか意識が遠くなっていく……。
「千紗? おい、千紗」
ハッとしたような進藤さんの声で、重くなった瞼を開けた。視界は、心配そうな進藤さんの顔でいっぱいだ。
「顔が青い。どうした」
青い? この状況で青いとかおかしいでしょ。絶対に真っ赤なはずでしょ。
言われてみれば、さっきまで火照っていたはずの体は冷たく、力が入らない。
進藤さんは手で私の脈を測り、下瞼の中の色、爪の色をじっと観察してため息をついた。
「おそらく、貧血だ」
「貧血……」
そういえば、最近血になるようなものを食べた覚えがない。
デートと顔合わせでたくさん食べてしまったカロリーをなかったことにしようと、より厳しい食事制限に励んでいたのだ。
ここ数日、私を生かしていたのは水とお茶と野菜、こんにゃく。以上。



