「いいじゃないか。別に恥じることでもない」
優しく頭をなでられ、いたたまれない気持ちになった。
「しかし、そろそろただ付き合っているだけじゃなく、婚約者として意識してもらいたいものだな。両家揃っての顔合わせもしなくちゃならない」
「そうですよね」
ただ告白されたわけじゃない。お見合いから始まり、すぐに婚約したのだ。
特に彼のご両親は結婚にこだわりがあるみたいだったので、あまり婚約期間を引き延ばすわけにもいかない。
「私は進藤さんみたいな素敵な人に出会えて、幸せです。今、生まれて初めて恋というものをしているんです」
手の中で、包み紙がぐしゃりと丸まった。進藤さんがどういう反応をするか不安で、緊張して拳を握りしめてしまう。
「進藤さんは、本当に私でいいのかなって、ずっと不安でした。そのうち、夢から覚めるように、私のことを嫌いになるんじゃないかって」
「うん」
「いつこの夢が終わるのかってビクビクしてばかりで、先のことが考えられなかったのかもしれません」



