「ドレスを着た君を抱き上げたら、いい写真になりそうじゃないか?」
「ダメです! 私は嫌じゃないけど、進藤さんが壊れちゃう」
周囲の観光客も、ぽっちゃりの私を抱き上げる進藤さんを、心配そうに見ている。
「こんなことで壊れはしないさ。鍛えているからね」
と言いながらも優しく地上に降ろしてくれる進藤さん。私は暴れる鼓動を落ち着けようと、深呼吸をした。
「と、とにかく今は謎を解きましょう。時間制限があるんですよね?」
その場の空気を変えるように、私は冊子とステンドグラスを交互に凝視した。
二十分後、私たちは無事にすべての謎を解き終え、案内所に戻って事件解決認定書と記念品をもらった。
ヒントサイトやネタバレブログに頼らずにゴールできた。建物を見物しながらなので四時間もかかったけど、とても充実した気分だ。
「はい、どうぞ」
ベンチに座って認定書を見ていた私に、進藤さんが揚げたてのコロッケを差し出す。すぐそこの屋台で売っているものだ。
あまりに美味しそうな見た目とにおいに負け、歩き疲れた私はそれを思い切りほおばった。



