荒い呼吸を何とか整えようと深く息をつくと、やがて全身から力が抜ける。壮絶な痛みが去ったあとの気怠さと安寧が私を包み、そのまま意識を手放しそうになる。
「城阪さん、……城阪紗世さん? 大丈夫ですか?」
「っ、は……い、だいじょうぶです……」
「赤ちゃん見れますか? ほら、元気な女の子……」
眼前に差し出された、白い包み。その中で産声を上げている、やわやわとした小さな命、――――私と景光さんの娘が、そこにいた。
「あ……」
腕に抱かされたその小さな命の温かさ、重みを実感して初めて、私は今この世に新しい命を産み落としたのだと理解する。なんだか無性に泣きたくなってしまって、私は唇を噛みしめながら、ずっと隣についていてくれた彼のほうを見遣った。
「景光さん……」
結局私が限界を迎え、病院に行くことになったのは彼の会議が終わるより前のことだった。しかし景光さんは会議が終わるなり病院に飛んできて、ずっと私の傍について励まし続けてくれたのだ。あんまりにも心配そうにするから笑ってしまって、陣痛が少し和らいだのも、とっても有難かった。
「ああ、よく頑張ってくれた。……ありがとう、紗世」
「はい……!」
私への労わりと愛情に満ちた瞳から、ぽたりと涙が落ちる。今まで一度も見たことのない、景光さんの涙。それが文字通り呼び水となって、私はついにぼろぼろと泣き始めてしまった。呻くような嗚咽を零す私の背中を、景光さんが優しく擦ってくれる。彼の反対側の手は、泣き疲れたらしい赤ちゃんにそっと触れていた。
「城阪さん、……城阪紗世さん? 大丈夫ですか?」
「っ、は……い、だいじょうぶです……」
「赤ちゃん見れますか? ほら、元気な女の子……」
眼前に差し出された、白い包み。その中で産声を上げている、やわやわとした小さな命、――――私と景光さんの娘が、そこにいた。
「あ……」
腕に抱かされたその小さな命の温かさ、重みを実感して初めて、私は今この世に新しい命を産み落としたのだと理解する。なんだか無性に泣きたくなってしまって、私は唇を噛みしめながら、ずっと隣についていてくれた彼のほうを見遣った。
「景光さん……」
結局私が限界を迎え、病院に行くことになったのは彼の会議が終わるより前のことだった。しかし景光さんは会議が終わるなり病院に飛んできて、ずっと私の傍について励まし続けてくれたのだ。あんまりにも心配そうにするから笑ってしまって、陣痛が少し和らいだのも、とっても有難かった。
「ああ、よく頑張ってくれた。……ありがとう、紗世」
「はい……!」
私への労わりと愛情に満ちた瞳から、ぽたりと涙が落ちる。今まで一度も見たことのない、景光さんの涙。それが文字通り呼び水となって、私はついにぼろぼろと泣き始めてしまった。呻くような嗚咽を零す私の背中を、景光さんが優しく擦ってくれる。彼の反対側の手は、泣き疲れたらしい赤ちゃんにそっと触れていた。
