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やっぱり推しが近くにいるって素晴らしい……はぁ尊い…


無事一番くじで推しのキーホルダーを引けた私はアニメイトに行ってきたあとのような幸福感に満たされながら高校に入った


「あー!」

ッ!なになに?!
急に大きな声出さないでよ……どうせ陽キャ軍団の1人でしょ?

それで話し声でかいからな

「なぁ!そこの…猫背の、ちょっ」

トン

少し強めの力が肩にかかった

……え?私?

顔を上げると光源のように直接見てはいけないレベルでキラキラとした笑顔を上から注がれる。
野生を感じさせるような八重歯に捕食される恐怖を感じると同時に防衛本能が勝手に働いた

高校やばい、男子が急にフレンドリー
できるだけ目立たず……過ごしやすい学校生活を手に入れるためッ!

「な、なんでしょうか…?」

「やっぱり!よ!久しぶりやな」

おひさ……?え?会ったことある人?
こんな人が私と?いやいやないべ

「あれ?覚えてへん?」

「あ、その……すみません」

「ショック、どしよ泣いてまう」

両手で目を隠して泣くようなポーズをとる、目の前の関西弁肉食動物

あ、あざとい……何だこの人

ポーズに似合わないような容姿をしてるくせに…ピアスいくつ空いてるんだろ、それに髪染めてる明るい

「そんなに見られたら照れるやろ?」

「あ……」

やばいつい癖で見すぎてしまった

こういう人ってだいたいすごい悪い人なんだろうな……アニメの定義、髪色明るめで関西弁使って、常に笑顔の人

そんでよく見たら一番くじやってきたキャラのライバルに似てる!待ってそう思ったら急に萌えr

「ほんま可愛ええな……」

瞬時に後ろを振り返る、新入生が山ほどいてみんな制服がよく似合っている

あーたしかに、可愛い
何だこの学校顔面偏差値高すぎねぇか?

あらヤダ言葉遣いが汚くなったわ

「あほ、俺が言うとんのは海原詩乃、君や」

..........ん?
あー多分これ疲れてるわ、夢だ
最近乙女ゲーム始めちゃったしな、cv好みすぎて

やり込み過ぎたなこれ
完全に疲れてる朝からおかしいと思ってたんだよ、やーやっぱりな

「何遠く見つめてくれてんねん!今の言うの結構恥ずかしかったんけど……///
一言ぐらい反応してくれへん?」

「あー、はい…」

選択肢いいいいい!今すぐ下に出てきてくれないか?!手荒なことはしないから!

私を救ってくれないか!?

しかしなにもおこらなかった

こうなったら別の手を……

「ア!ナンダアレ!」

「ん?なになに?」

全く何も無いところを指さし、注意をそらす。

作戦通り関西弁男子は私の指さした方を見た。

そのうちに足早に物陰に隠れた


待って高校怖すぎない?!
いきなり確定で陽キャの人に絡まれたよー

でもあの人が喋らなかったりしたら、コスプレさせたい…

いや、夢とはいえなんかだ少女漫画フラグがゴロゴロ落ちてますな、今日

夢の中のみんな高校進学で浮かれてんだろーな…


いやしかしこの後どうしよう…
夢ならさっさと覚めて欲しい、私をこの悪夢から解放してッ!