「お隣さんだよ。この荷物取りにきたんだ」 その女の人は黙々とカップラーメンを食べていた。 「この箱だよ、輪リンの荷物」 「輪リンって俺のこと?」 尚ナオが靭ジンに空のダンボール箱を見せてくれた。 「これは…?」 「乾燥わかめでしょ、お米でしょ。 カップラーメンがいっぱいで、りんごにオレンジ。 そして、梅干し。これ輪リンのお母さんの特製? 甘めだね」 尚ナオは梅干しを一粒口に入れた。