夜風がいい感じに入る店内。
綺麗なBGM。

ふふ。

雰囲気だけでも酔っちゃいそう。


「ほら、イエローパロット」
「ありがとう」


良かった。
アプリコットの甘さとハーブのおかげですごく飲みやすい。

これならもう一杯飲めちゃうかも。

本当に度数が高いのかな?ってなるぐらい。


「で、どうしちゃったのよ?」
「…え?」
「だってアンタ。そんなにオシャレしてるのに悲しいって顔してるわよ。何かあったの?」


やっぱりバレちゃった。

本当にマスターは人がいいんだから。


「実はね。彼氏にプロポーズされたの」
「あっら!!あの自慢してた彼氏よね!?いい事じゃない!!」
「…うん。すっごく嬉しくて了承したんだけど…」
「だけど?」


小さい悩みって言われるだろうか?

でも聞いてくれる人はマスターしかいない。
お店にも私以外は人がいなし…。


「彼の職業がね…その、大分お金が入る仕事をしてたみたいで…それをさっき知ったの。それで…。私って彼に信じてもらえてなかったんだって思って…」


あぁ。

「アンタ…泣いて…」


そっか。

私すっごく悲しかったんだ。