駅直結の居酒屋の個室に入るなり茜ちゃんが口を開く。


「婚約者さんへの連絡大丈夫だった?」
「うん。大丈夫!許してもらえたよ」
「おぅおぅ。独占欲が強い婚約者だねー」
「そう、ですかね?」
「まぁ感じ方はそれぞれだよ」


そういうと千景先輩は注文をしてくれた。
千景先輩は相変わらずビール。茜ちゃんと私はカシオレ。

しっかり見てるよな。この先輩。
本当に憧れるな。

そんなことを考えていると、二人は顔見合わせ私の方を見る。
今回は私の前に茜ちゃん、その隣に千景先輩という席順になっている。


「で、森くんに告られた?」
「ッブッフ!!!」


思わずカシオレが噴き出る。


「うわ。大丈夫?」


そう言って千草先輩は私に拭くものをとってくれた。


「あ、ありがとうございます」


でも千草先輩のせいで噴出したんだけど。


「その感じだとやっぱり告白されたんだー!!!」
「ちょ、茜ちゃん声大きいよ!」
「だってだって…、少なくとも私は狙ってたんだもん!」
「今彼氏いるじゃん!」
「そうだけどさぁ~!!」


酔って気持ちいいのか茜ちゃんの声が大きい。
アキさんは近くにいないのに、聞かれてるか心配してキョロキョロしちゃう。

個室部屋なのに!

というか何でこの二人は知ってるんだ!?