京都のチャペルに靡くヘッドドレス。
頭部には慎ましいティアラに散りばめられた宝石。
身体にはウェデングドレスを纏い、足にはガラスのようにキラキラしたヒールを…。


「…綺麗だな」
「えぇ、本当に素敵よ」

「お父さん、お母さん。ついに…、今日だね」


私の言葉に泣きそうな二人。
その様子をみて私も泣きそうになる。


「あらあら、まだ泣いちゃダメよ。とびきり綺麗な状態で彼に見せなきゃ!」


母はそういいながらハンカチで私の目元を優しく抑える。


「こういうときはお父さんを見なさい。ほら、ボロボロ泣いて笑えちゃうでしょ?」
「…っぐず、…仕方がないだろ!嫁に行っちゃうんだから!」
「ふふ…!ボロ泣きじゃない。お父さんの方が無事じゃないわね」
「そうよ!まだ式はこれからっていうのに!ほら、アナタもこれで涙を拭きなさい」
「…あぁ。ぐすん」


そう。

今日は私とアキさんの結婚式。
二人の愛を皆の前で誓う特別な日。