本当に憎らしい。
弥生をいじめていたソイツらが憎くて憎くてたまらない。


「ベッドに押し倒されて、何とか逃げて…。ドアの前まで行ったら後ろからドアドンっていうの?されてさ。もー逃げ場なんてゼロ!その時は流石に怖かったけど、そこから真正面でシキさんを見てたから気づくことができた」

「ちょっとまて、押し倒されたとかドアドンとか大丈夫だったのか!?」
「そこは大丈夫!押し倒されたベッドはフカフカだし。ドアドンも私には危害ゼロ」
「それ以外は何もないのか?本当に?」


疑っているわけじゃない。

だが、シキの行動を考えるとそれだけとは思えない。


「…キスはされそうになった」


やっぱりだっ!
くそ…、って待てよ。”されそうになった”ってことは…。


「避けたのか?」
「えぇ。同じミスはしたくなかったの」
「ふぅ…。それはよかった」


危うくシキを殴るところだった。