何ていった…?


「僕のことを愛している…?」

「曲解しないで。貴方のことは弟として愛しているの。恋人としてじゃないわ」
「…それって、どう違うの?」


弟として愛している…。
弟として。

でも愛しているのには違いはないでしょ?


「…全然違うよ。家族愛と夫婦愛は違うでしょ?ご両親を愛しているのと恋人を愛しているのは全く種類が違うの」


小さい子に教えるように僕に説明する。

でも、弥生さんは間違ってる。
僕は、僕は…。


「両親に愛されてない」


昔からそう。
両親の目に一番に映るのは僕じゃない。


「両親が愛しているのは、兄さんだよ」


そう。

僕じゃない。


両親の愛を一身に受けたのは兄さんだ。