「天音さま!おはようございます!!」
「ふふ、皆さん、ごきげんよう」
キャアーーーーー!
私が挨拶するだけで盛り上がる、この学園。
私は日本でもトップクラスの神崎財閥の一人娘だ。
だから私は、清廉潔白な女性を………演じてる。
だってそうでしょ?
いつだって、私に自由なんてものはありませんでした。
母上からは『神崎の名に恥じない振る舞いを。』
父上からは『勉学にしっかりと励みなさい。』
いつだって、自分達の評価、世間体を気にしていた。
だから私はそれに応えているだけ。
母上が望むような『神崎の名に恥じない娘を』
父上が望むような『勉学にしっかりと励む娘を』
演じてきた。
そして“ここ”では、『誰にでも優しく、才色兼備な生徒会長』を演じてる。
家でも、外でも、学園内でも、私は心に仮面をつけて、生きている。