「ねぇ、そういえば藍沢さん、営業第一部に行ったらしいね」
「そうそう~なんで営業何だろう。一番向いてないように思えるけど」
「確かにねぇ、そうなんだよね。見た目もパッとしないし、いつも同じ服着てなかった?」
「そうそう。それでいて結婚してないんだよね」
「彼氏いそうにも見えないし…あの分厚い眼鏡なんてさ、のび太じゃん」
完全に自身の悪口を言われているようで琴葉は落ち込む。
おそらく彼女たちはコーポレートの経理部の女性陣だ。何度か会話をしたことはあるが親しいわけでもない。それなのにこの言われように肩を落とす。
どうせ彼女たちだって琴葉が必死にオシャレをして女性らしくなったところで、“似合わない”と言って鼻で笑うだろう。
コーポレートの社員は外勤など社外の人と会う機会がほぼないからオフィスカジュアルスタイルでスーツを着て出勤しなくてもいい。琴葉は普段から二、三着のブラウスやセーターを着まわしていたから同じ服を着ていると思われていたのかもしれない。
「あ、そろそろ時間だ~その口紅可愛い」
「でしょ~?新作だよ」
女性陣の声が遠のいてようやく個室から出ると辺りを確認しながら鏡に映る自分を見た。
昨日と同じ服装だけど、スーツだと特に気づかれないだろう。
髪を整えて、琴葉はトイレを出た。
「そうそう~なんで営業何だろう。一番向いてないように思えるけど」
「確かにねぇ、そうなんだよね。見た目もパッとしないし、いつも同じ服着てなかった?」
「そうそう。それでいて結婚してないんだよね」
「彼氏いそうにも見えないし…あの分厚い眼鏡なんてさ、のび太じゃん」
完全に自身の悪口を言われているようで琴葉は落ち込む。
おそらく彼女たちはコーポレートの経理部の女性陣だ。何度か会話をしたことはあるが親しいわけでもない。それなのにこの言われように肩を落とす。
どうせ彼女たちだって琴葉が必死にオシャレをして女性らしくなったところで、“似合わない”と言って鼻で笑うだろう。
コーポレートの社員は外勤など社外の人と会う機会がほぼないからオフィスカジュアルスタイルでスーツを着て出勤しなくてもいい。琴葉は普段から二、三着のブラウスやセーターを着まわしていたから同じ服を着ていると思われていたのかもしれない。
「あ、そろそろ時間だ~その口紅可愛い」
「でしょ~?新作だよ」
女性陣の声が遠のいてようやく個室から出ると辺りを確認しながら鏡に映る自分を見た。
昨日と同じ服装だけど、スーツだと特に気づかれないだろう。
髪を整えて、琴葉はトイレを出た。



