「うん、ずっと美桜にお礼が言いたかった。バカにされてた瞳を綺麗って言ってくれてありがとうって言いたかった。美桜のお陰で心が軽くなったんだ」


先程聞かされた杏里先輩を救った言葉を出したのが私だったの!?

私は目を見開いて驚いてしまう。


「私、今の今まで、忘れてたのに……」

「美桜には何気ない言葉だろうしね」

そりゃあの時は幼稚園児だもん。
考えて出せるわけが無い。

それにあの公園は痴漢に襲われた思いだしたくも無い場所。
そのせいであの子の事をすっかり忘れていたのかもしれない。


「美桜とあの坂で再会して、すぐに分かった。昔よく遊んだ、スカートとフリルとリボンが大好きでオシャレな女の子だったなって」

そう。
昔の私はスカートとフリルとリボンが大好きだった。

あの日までは……