触れないで、杏里先輩!

「美桜、行くよ」

そこにビニール袋をぶら下げていた杏里先輩がやって来てしまった。
私は咄嗟に亜季ちゃんの背中に隠れて身構える。

「私は亜季ちゃんと食べます!」

私は威嚇しながら叫ぶ。

「二人きりで話したい事があるんだ」

二人きり!?
絶対無理だし、嫌!

「私はございません!お引き取りを!」

拒んでいるのに私へとズンズン向かってくる杏里先輩。

「そんな生温いこと言ってたらいつまでも治らないよ?」

「っ!?!?!?」


私は言葉にもならない声。
杏里先輩が私のブレザーの裾を掴んできたから。


「よし、ここなら気絶しないね。手を握られたくないなら大人しくついておいで」

「亜季ちゃん!助けてっ!」