触れないで、杏里先輩!

「む、無理です!」

「分かってた。じゃあ触るだけで我慢する。カーディガン脱がせて良い?だってもう要らないじゃん」

「えぇ!?」

「本当に倒れないか確かめたいし」

笑顔の杏里先輩にやっぱり私は勝てずに頷く。

杏里先輩は肩口を掴むとカーディガンをゆっくりと降ろしていく。

脱がされると現れた私の素肌。

私の腕をゆっくりじっくり堪能するように肌の上を杏里先輩の長い指が滑る。

その動きがゾワゾワして、その手を思わず掴んで止めた。

「杏里先輩、ストップ!限界です!」

「えー、もっと美桜に触れたいのに」

すぐに止めたことが不服なのだろう、憮然そうに唇を尖らす杏里先輩。

「私のペースで申し訳ないですが、少しずつでお願いします!」

「だってまた気絶したら大変だし、慣れないと」

笑顔の杏里先輩に私は叫んだ。

「これ以上は触れないで、杏里先輩!」

真っ赤な顔で限界を訴えた私を見ながら杏里先輩はプッと笑うと言った。

「これからも少しずつ進もう、二人で」


そうだね。

ゆっくりで良いから一緒に進もう。

あなたとの恋を育みながら。






end.