梅雨が終わって暑さが本格化し始めた六月の終わり。
杏里先輩への気持ちに気付いた昨日から、私は落ち込むばかりだ。
だって私は好きな人に触れられもしない。
それどころか、二回も気絶した。
こんな私と杏里先輩がいたいわけがないし、私も怖くて触れられない。
私の恋は絶望感しかない。
「おはよう、美桜」
それでも杏里先輩は優しく接してくれる。
でもそれは私が昔の恩人だから。
お返しに私の男性恐怖症を治そうとしているだけ。
治ったら、こんな風に朝早くに会いにも来てくれなくなる。
それならずっと男の人に触れられないままの方が良いかもなんてズルい考えに至ってしまう自分が嫌になる。
「花純は今日は安静をとって休むみたい。だから帰りは今日も二人だよ」
卑怯な私に試練を与えてくる。
そして二人きりの朝の教室。
好きだと気付いてから髪に触れられると、いつもより鼓動が煩い気がした。
杏里先輩への気持ちに気付いた昨日から、私は落ち込むばかりだ。
だって私は好きな人に触れられもしない。
それどころか、二回も気絶した。
こんな私と杏里先輩がいたいわけがないし、私も怖くて触れられない。
私の恋は絶望感しかない。
「おはよう、美桜」
それでも杏里先輩は優しく接してくれる。
でもそれは私が昔の恩人だから。
お返しに私の男性恐怖症を治そうとしているだけ。
治ったら、こんな風に朝早くに会いにも来てくれなくなる。
それならずっと男の人に触れられないままの方が良いかもなんてズルい考えに至ってしまう自分が嫌になる。
「花純は今日は安静をとって休むみたい。だから帰りは今日も二人だよ」
卑怯な私に試練を与えてくる。
そして二人きりの朝の教室。
好きだと気付いてから髪に触れられると、いつもより鼓動が煩い気がした。