「なんでもないよ。それよりさ、明日から午後練は無いから、一緒に帰っても良いかな?」

先程の言葉の意味が分からなかったが次の話題になったので気にしないことにした。

「花純先輩もいるけど良いかな?」

「花純先輩?」

「えと、杏里先輩の元彼女さんなんですが、色々ありまして昨日から一緒に帰っているんです」

私が説明すると北川君は眉間を寄せた。

「先輩が誘ったの?」

「違う!私です!」

北川君は「え」と溢すと目を剥いたまま何故か固まった。

「どうかしました?」

「なんでもないよ。一緒に帰ろうね」


なんでもないと言われたし、それからまた北川君はいつものように会話を振ってくれたから、気にしないことにした。

高校の最寄駅に着くと、杏里先輩と合流。
今日も仲良く話す二人の会話を聞きながら学校へと向かった。