触れないで、杏里先輩!

「杏里先輩、勿論良いですよね?」

私は花純先輩に加勢して杏里先輩に同意を求めると、杏里先輩は一瞬目を見張ったのち言った。

「美桜が良いなら」




三人で並んで駅を目指す。
何故か真ん中が私で、左が杏里先輩、右に花純先輩だ。

思い付きで私が声を掛けた。

でも何を話せば良いの?

だって先輩二人との共通の話題が思い付かない。


「私、実は美桜ちゃんと同じ方向なんだよね。私の方が先に降りちゃうけど」

誘ったくせに黙っている私を見兼ねたのか、花純先輩が話題を振ってくれた。

「えっ!?そうだったんですか!?」

どうやら花純先輩は何度か私を電車で見掛けているようだ。