触れないで、杏里先輩!

「私が話したの。また美桜ちゃんが巻き込まれたら大変だから」

花純先輩の言葉に、杏里先輩に話したのは彼女かと納得しながら思った。

花純先輩って凄いな。
私をライバルだと言ったのに、私を守るようにと想い人の杏里先輩に頼むなんて。

私の知っている女の子(漫画の世界だが)では到底あり得ない行動。

心が広すぎる。


「花純先輩も一緒に帰りませんか!?」

思わず提案した。

花純先輩を応援しますと言ったのもあったが、ここ最近杏里先輩と二人きりで居るのも気まずいから。

「私も一緒に帰って良いかな?」

花純先輩は遠慮がちに上目で杏里先輩と私を交互に見ている。