触れないで、杏里先輩!

「ごめんごめん。少女漫画展開すぎて、私には別世界なのよ。もう最近の美桜はリア充だから」

亜季ちゃんは両腕を組んでうんうん頷いている。

「え?どこがリア充?」

私は意味が分からなくて眉が寄る。

「恋する乙女を楽しんでるじゃん」

「へ?」

まさかの返しにパカリと間抜けな形に口が開いた。

「見た目も入学当初と全然違うし、遠い存在になりつつあるよ」

何故か遠い目をしている亜季ちゃん。

「どうしてそうなったの!?ちょっと落ち着いて!」

とりあえず暴走する亜季ちゃんを止めることにした。

「美桜は杏里先輩が好きなんでしょ?」

「ハイ!?」