触れないで、杏里先輩!

「私が倒れたのは朝食を抜いたせいなのでお構いなく。先輩は罰ゲームしてたんですよね。怒ったりしないのでお互い水に流しましょう」

私はすぐに口を開くと彼が気にしないように淡々と言った。

だって罰ゲームに決まっている。
杏里先輩が私と付き合いたいだなんて。

これ以上は振り回されたくない。
だから私は先手を打った。

「え?」

杏里先輩は私の言葉に目を見開いた。
図星なのだろう。

と思ったら、何故かすぐに真剣な顔をして。

何でそんな顔を?

「俺、本気で言ったよ?」

疑問に思っていると杏里先輩が言った。

「……は?」

本気?

今度は私が目を見開く番。