触れないで、杏里先輩!

「撮りました!?」

「撮ったよ」

杏里先輩の声に、終わった!と、心から安堵した私は目をパッと開いた。




『カシャ』




「え」と、思わず声を漏らした。

再びシャッター音が聞こえてきたこともだか、それどころじゃない。

目の前には携帯の画面。

しかもそこにはポカンとした私と、笑顔の杏里先輩が映っている。

お互いの顔と顔との距離、十センチ程。


「きゃああああ!」

叫び声と共にガッターン!と大きな音を立てた私。

「美桜!?」

驚きすぎて椅子から転げ落ちた私に驚いた杏里先輩が私の名前を叫ぶ。