触れないで、杏里先輩!



「ではクラス毎で二列でまず駅に移動し、電車に乗って科学館へと向かい、そこのプラネタリウムで見学です。外には沢山の人が居ます。迷惑にならないように私語は慎みましょう」


朝、ホームルームで担任の先生がクラス全員に釘を刺した。
だがクラスの皆は今の言葉も右から左へとサァーと抜けていったようで、校外学習だということなど頭に微かも無い程、ウキウキザワザワ。

私は正反対の鬱な気分だというのに。


「杏里先輩に言われてるからね!私が美桜を守るよ!」

私の隣に居る亜季ちゃんが親指を立てて心強い言葉をくれた。

二列で行動する時の私の相棒は勿論亜季ちゃん。
一応前後は女子の囲まれているので安心。
杏里先輩は教室を出る前に亜季ちゃんに私のことをお願いしていた。

なんか最近常々思う。
杏里先輩って私のお兄ちゃんみたいだよね。