触れないで、杏里先輩!

私達はいつも通りに机を挟んで向かい合う。
私はすぐに目を瞑る。

「お願いします!」

自分に負けないように、気合いを入れる。

「今日は髪だけど違うところに触れるね」

すると予想もしていない言葉が返ってきた。

「え!?」

「気絶しちゃうと大変だから目は瞑ってて。というか良いって言うまで開けちゃダメ」

目を開けようとしたら、杏里先輩から制止の声が。

何をするのかと不安に駆られそうになったところに、

「去年、俺が行ったプラネタリウム行くんだよね。結構面白かったよ。楽しんできてね」

私を落ち着かせようとしているのか、今日の校外学習の話題が飛んできた。

だが、全くもって落ち着けない事態に私は陥っている。