触れないで、杏里先輩!

「きっと私には無理なんです……。この体質を変えるのは、無理なんです……だからーー「諦めないでよ」


断念の言葉を出そうとしたら、遮られ止められた。
驚いて顔を上げると、いつもみたいに優しい顔で私に微笑む。


「どれだけ時間が掛かろうとも俺のことは気にしないで。俺が勝手に美桜のボランティアをしてると思ってて。だから座って」

そして私に何も言わせないように続けた。

杏里先輩は私の気持ちを全部分かっていた。

そこまで言われたら、もう私は何も言えない。

それに杏里先輩はこんなにも私のために時間を割いてくれているんだ。

私も覚悟を見せよう。


「……もう、弱音は言いません。杏里先輩、お願いします!」

「うん。美桜の体質が治るまで頑張ろう」