触れないで、杏里先輩!

「うん。だって昨日より長く触んないと、効果ないかなって。まだただ髪に触ってるだけなんだよ?気絶しちゃう体質を治すまでには絶対程遠いよ?」

だが私の訴えを無視して、杏里先輩は離してくれない。

「もう限界ですっ!」

私は必死にSOSを出し続けるしかない。

「どんな風に?」

でもまだ離してくれない。

「心臓が苦しいくらいドコドコいってます!」

早く離して欲しくて、必死に訴え続けるしかない私。

「どういう意味で?」

「怖いんです!目を開けたら、即倒れそうなくらい!」

「まぁ二日目じゃまだ無理か」

杏里先輩がそう言うとすぐに、髪がやっと解放された感覚がした。

やっと安心出来たが、まだまだ試練の道のりは長いと思うと憂鬱にもなった。