Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)


私はタバコの煙を深く吐き出しお父様に顔を向けた。


「楽しいお話ありがとうございます」


「…うん。僕も楽しかったよ」


お父様はわずかに眉を下げて私を見つめ返してくる。


「正直、僕は君の言葉に期待してた。家にあがることを


望んでいなかった、とは嘘になる」


お父様は正直に答えてくれて、私も口元に微笑を浮かべた。


「私もですよ。私も店長がタクシーを降りてくれるのを期待してました。


でもその先に待ってるのは




何も無いんです」


迷路の先にゴールはなく、ただ永遠に続く罪の道。



ミケネコお父様は僅かに俯き


「僕は君の中に紗依の面影を見つけようとしていた。


紗依はもうこの世のどこにも居ないのに。



ふいに彼女と同じ香りを纏った君を近くで感じて、気持ちが揺れた。



僕にはカズミちゃんと言う大切な人があり、君は僕の息子の恋人だ。



許された関係じゃない」



はっきりきっぱり言われても、私はどこかすっきりしていた。


「元、ですよ。元恋人」


冗談めかして笑う余裕すらできてきたのは、私の心の余裕ができたからだろうか―――


「君の言った通り何も無い。あるのは罪と、その罰を背負っていかなきゃいけない十字架。


歳だからかな~


思い切った行動が取れない。最後の最後になってブレーキを掛けるんだ」


お父様も苦笑いで頭の後ろに手を置き



「ブレーキを掛けてくれて良かった」