早く着かないかなー…と思う反面、永遠に着かないといいのに。
そう思う自分も居た。
ミケネコお父様と私の距離は指一本分の距離を空けて並んでいたけれど
その距離が私には心地よかった。
大好きな人の面影を浮かべたその人と―――
隣り合っていると、大好きな人のぬくもりまで感じられる気がして
それは錯覚だと言うのに。
でも
今なら分かる。
お父様が私の中にサエさんを探しているその気持ちが。
香りだけで私を亡くなったサエさんに重ねられるその気持ちが―――
今なら答えられる。
「忘れようとしても無理です。
無理なんです」
スカートの上でぎゅっと握った手に、
お父様の手がそっと重なった。
指一本分の距離を乗越えて―――



