それでもミケネコお父様と新人のバーテンの子が気になり、私はだらだらと酒を飲み続けた。
たった一日だけど、気を緩めたらあのバーテンの子きっとミケネコお父様にモーション掛けそうだし。
ペルシャ砂糖さんは確かに可愛いけど、お嬢様だし気が弱そうだしきっと負けちゃうよ。
見張り、と言う意味で閉店まで居座って
何故か閉店作業まで手伝って、私とミケネコお父様は大通りでタクシー待ち。(新人の女の子は無理やり返した)
思えば……どれぐらいぶりだろう。
こんな風にタクシーを二人で待つのは。
ミケネコお父様は男女分け隔てなく誰にも優しいし(ときに厳しいけど)だから勘違いしちゃう子もいるだろうけど
根は紳士で、いつも従業員の身の安全を心配してくれていた。
いつもはタクシーチケットを渡してくれるけど、今日に限っては
「おうちまで送り届けるよ」と一緒に乗り込むお父様。
「あの…今日はありがとうございました」
何を隠そう、今日の飲み代はチャラなのだ。
「付き合ってもらったお礼だよ~」
お父様はにこやかに笑ったけれど、いつもより喋り方がゆっくり。
あれから結構飲んだしなー、少し酔っ払ってるのかも。
かく言う私も、いつもより体が熱い。
「久しぶりだよね、こうやってタクシー乗るの」
「一緒にタクシー乗るのははじめてです。店長は私をタクシーの乗せたあと経理の仕事とかで残ってるじゃないですか」
私が言うとミケネコお父様はにっこり微笑みを浮かべ
「朝都ちゃんから久しぶりに聞いたかもな~“店長”て」
ま、まぁ?店長以前に黒猫のお父様だし…
でも黒猫と付き合う前はやっぱり「店長」で。
変ったのは私―――か。
と実感した。



