声を挙げて泣き続ける私の背中を、涼子はただただ優しく撫で続けてくれた。
まるで母親のように―――
何も言わずに撫でさすってくれる。
その手のひらの心地よさに、またも涙が出て
私は涼子にすがり付いて思い切り泣いた。
――――
―
どれぐらい泣いただろう。
泣き疲れていつの間にか寝ちゃったみたいだ。
ぼんやりと目を開けると、滲んだ天井が視界に入ってきた。
「頭いった………」
独り言をもらすと、誰かの手が伸びてきて額にそっと触れた。
「涼子…?ごめんね、付き合わせちゃって」
何とか答えると、涼子だと思っていた人物はゆるゆると頭を振って私の額をそっと撫でてくれる。
あれ……?
さっきの感触と違うような―――
それにこの香り…
おひさまと柔軟剤
「………倭人……?」
居るはずのない人物の名前を思わず呼ぶと
『にゃ~…』
ネコの小さな鳴き声が聞こえて、
ふわりっ
私の頬をふわふわな何かが撫でた。



