おかゆを用意してくれている涼子の横顔に話しかける。
「…ごめんね、溝口さんと四人で温泉旅行行こうって決めてたのに、
ダメになっちゃった」
と謝ると、器を持った涼子は振り返り
「そんなこと気にしなくていいよ」と苦笑い。
黒猫と別れちゃったことを、涼子は何も言わない。
「ホントにいいの?」とも「別れて正解ね」とも。
ただ
「辛かったね」と言って背中を撫でてくれた。
「涼子…」
何も聞かずとも飛んできてくれる人。
涼子がいてくれて良かった。
私は風邪がうつるかも、と言う心配もよそに涼子に思い切り抱きついて
「ぅわぁああああん!」
声を挙げて思い切り泣いた。
ホントは別れたくなかった。
ホントはずっと一緒にいたかった。
母親のように姉のように、彼の成長を見守り、どんな逆境も二人で乗り越え
愛し愛され
あのおひさまと柔軟剤の香りに包まれて
永遠に
ともに生きたかった。



