『ごめん朝都、果凛落ち着いて今は寝てるよ』
黒猫の言葉に私はほっとため息。
「そっか、良かった…」
『果凛と何があったの?』
そう聞かれて、私は言葉を出せずに俯いた。
“あたしから倭人ちゃんを取らないで”
あの言葉がまだ耳の奥でエコーしてる。
まるで言霊のように私を縛り、心臓を激しく揺さぶる。
何も言い出さない私に黒猫も諦めたのか、電話の向こうで小さく吐息をつき
『何があったのか知らないけど、果凛は喘息だから発作も良くあることだし気にしないで』
そう言われたけど
気にするよ。
少なくとも私が居なければ、それだけカリンちゃんの心労も減るってわけだし。
『俺に話があったんだろ?
だからわざわざマンションまで来てたってことだろ?』
そう聞かれて
言わなきゃ―――
私は痛みで締め付けられる心臓の辺りできゅっと手を握った。
「うん、私たちもう……
お別れしよう―――
って」
声が震える。黒猫が何て反応するのか怖い。
だけど、意思を貫かなきゃならない。
だって彼らには
これから輝かしい未来がたくさん待ってる―――
私がそれを奪っちゃいけないの。
『は………?何で―――』



