「本当にすみません!」
カリンちゃんは何度も謝りながら、
私はよろけながらも黒猫のマンションへ向かう。
「いいの…私も気づいたときに声掛ければ良かったんだけど…」
かっこ悪過ぎるよ。
女子高生のスクールバッグ攻撃にやられてよれよれの女子大生って。
それでもカリンちゃんは本当に心配してくれてるのか、私のバッグを持ってくれて、さらには腕を支えてくれた。
カリンちゃんだって折れそうなほど細い腕してるのに。
カリンちゃんは―――…ロシアン葵ちゃんと違って、すごく凄く優しい。
見た目もふわふわ美少女で、今日も凝った編みこみのハーフアップにしていてそれも凄く似合ってるし。
お花畑の妖精さんか、とツッコミたくなるぐらいだ。
「か、可愛い髪形だね。自分で結ってるの?」
二人きりてのははじめてだし、カリンちゃんはロシアン葵ちゃんのように人懐っこいわけではない。変な沈黙に耐えかねて私が話題を振ると
「はい。あ、でも今日は時間があんまり無くてそれほど…」
またも話題が途切れて、
「そぉ?凄く可愛いよ」
私は慌てて答えた。
私は髪のセットって言ったって櫛で梳かす程度だし、アレンジっても後ろで纏め上げるだけ。
器用なんだな、カリンちゃん。
そう言えばトラネコくんのシマ模様を作ったのも最初はカリンちゃんだっけね。
“可愛い”と単語にカリンちゃんは白い頬にピンク色を浮かべながらもぎこちなく笑った。
そんなんで、何となく和みつつあるとき黒猫のマンションに何とか到着。
……長かった…
エレベーターホールでカリンちゃんと一緒にエレベーターを待っていると、
「あの…倭人ちゃんのおうちに行くんですか…?」
カリンちゃんがうつむいたまま聞いてきた。



