「あと一年の辛抱だ」
黒猫はグラタンを口に入れながら空をぼんやりと見上げ、
「一年…?」そう聞くと
「そ。
俺が18になるまであと一年」
少年黒猫は無邪気に私に微笑んできた。
実際問題18になってすぐに結婚できるとは思わないけど、でも純粋にそう言ってもらえると
やっぱり嬉しいよ。
「あ。そだ。
あんた夜中に電話くれたよね。ごめん寝てて気付かなかった。
カリンちゃんのこと?」
思い出したように聞くと
「あー…うん。果凛のことも報告しようと思ったんだけど
なんか急に
声聞きたくなっちゃって」
声を聞きたくなっちゃって―――…?
なんていい響き。
「ごめんね、気付かなくて」
黒猫はちょっと首を傾けると
「でもそのあと夢で朝都に会えたから
いーや」
夢……??



