Chat Noir -黒猫と私- バイオハザー度Max- Deux(2nd)



ふわり…


白衣の裾を風でなびかせて、気まづそうに立っていたのは



浩一だった。


「よ、よぉ…!」


私は慌てて手を挙げた。


あの雨の日以来…浩一と二人きりで話すのはこれがはじめて。


そいや白衣返してないし……一瞬、その催促かと思ったけれど


「紅葉、ピークだな」


浩一はぶっきらぼうに言って私の隣に腰掛けてきた。


浩一の愛用している香水と、セブンスターの香りが一層近づいて


何故だか胸が鳴る。


あの雨の日を思い出す。



『雨があがったら、理由なくここに居られないから―――

朝都と一緒に居られないから。

雨があがるまででいい。

あのネコじゃなくて、俺だけのこと


考えて?』




雨はあがった。


今日はすっきりとした秋晴れだ。


「涼子から聞いた…」


浩一が切り出し、ドキリと心臓がねじられる。


黒猫と別れたことをもう知ったのか、と思うと…浩一がどんな行動に出るか何となく想像できたから。


だけど浩一の言葉は私の想像したものとはちょっと違った。





「風邪ひいてたんだって?大丈夫かよ」