その言葉にドキッとして眞白くんを見上げたら、彼は私の頭にポンと片手を乗せて。


「なんか乙葉が僕のものになったみたいで嬉しいんだけど」


「えっ……」


冗談で言ってるんだろうとは思いつつも、なんだかやけにドキドキしてしまった。


眞白くんっていつも、冗談なのか本気なのかわからないことを口にするから。


こんなこと言われたら、勘違いしちゃいそうになるよ……。


「とりあえず、風邪ひいたらいけないから、早く帰って髪乾かさないとな」


「あ、うん」


「でも、楓には見つかんないようにしないと」


なぜかそんなふうに言われて、思わず首をかしげる私。


「えっ、楓くんにはって、どうして?」


「だって、乙葉が水かけられたなんて言ったら、あいつ絶対キレるから。あの子たちに何言うかわかんないじゃん?」


「そ、そうなの?」


「うん。だから、楓にはこのことは内緒ね」