眞白くんはそんな彼を見てため息をついたかと思うと、私に向かって謝ってくる。


「ごめんね、乙葉ちゃん。こいつほんと素直じゃなくてさ」


「いえっ、あの、私のほうこそなんか、すみません……」


むしろ、私のほうが謝らなきゃいけない気がしちゃうよ。


だけど眞白くんは私を気遣ってか、フォローするように言ってくれた。


「気にしなくていいよ。楓はいつもこんな感じだから。なんていうか、女子が苦手みたいなんだよね」


「そ、そうなんですね。ごめんなさいっ」


再び謝る私の頭にポンポンと撫でるように手を乗せてくる眞白くん。


「だからー、乙葉ちゃんが謝らなくてもいいんだって」


その優しい笑顔に思わずドキッとしてしまう。


眞白くんって、ほんとにいい人だなぁ……。


「せっかく同じ高校に行くんだし、仲良くしようよ」


そう言ってもらえると、すごく心強い。


正直親元を離れることはもちろん、知り合いのいない学校へ行くのは不安もあったから。


眞白くんの言葉に、私は「はいっ」と力強くうなずいた。