【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!

しかもよく見たらなんと、楓くんが右肘から血を流していて。


心配になってその人だかりのほうへと駆け寄っていったら、楓くんは腕に付いた砂をパッパッと払うと、その場にサッと立ち上がった。


そしてもう一人の男の子にサッと手を差し伸べて。


男の子はその手を掴むと、自分もその場に立ち上がる。


「ごめんな、九条。大丈夫か?」


「あぁ、全然平気。大したことない」


「でも、けっこう血出てるけど……。保健室行ったほうがいいんじゃねぇ?」


――キーンコーンカーンコーン。