【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!

「……はぁ、なんでこんなとこにいんだよ。誰かに閉じ込められたのか?」


楓くんが心配したように聞いてくる。


「ち、違うの。これは私が、ドジしちゃって……」


「え、ドジ?」


「大島くんに追いかけられて、とっさに体育倉庫に逃げ込んだら、たまたま鍵を閉められて。それで出られなくなっちゃったっていうか」


私が正直に打ち明けると、楓くんはそこでゆっくりと腕を離して。


「マジかよ。なんだそれ」


見上げたら、彼は少し呆れたようにクスッと笑った。


久しぶりに見た楓くんの笑顔に、胸がトクンと高鳴る。


「でも、なんでここにいるってわかったの? 私、スマホも持ってなかったのに」


ふと気になって聞いてみる。


そしたら楓くんは、ポケットからサッと何かを取り出して。


「あぁ。それは、倉庫の前にこれが落ちてたから、もしかしたら中にいるんじゃねぇかって」