それなのに、乙葉が今頃何してるのかとか、気になって仕方がない自分がいる。


眞白はちゃんと、乙葉のことを見守ってやってるんだろうかなんて。


また危ない目に遭ったりしてないだろうかなんて。


余計なお世話だよな。


すると、そんな時、ふとポケットに入れていたスマホが鳴った。


何かと思い取り出すと、それは眞白からの着信で。


「もしもし……」


俺がすぐ電話に出ると、眞白はひどく慌てた声で。


「どうしようっ、楓！　乙葉がいなくなった！」


なんて、とんでもないことを言いだしたので、思わず大声をあげてしまった。


「はぁ!?　ウソだろ！　どういうことだよっ」


俺が問いただすと、眞白は焦ったように説明する。


「それが、一緒に帰ろうと思ってたんだけど、僕ちょうど女子に呼び出されちゃって。戻ってきたら教室にいなくて。先に帰ったのかと思ってたら、寮にも帰ってないみたいなんだよ」


「マジかよ。GPSは？」


「それが、乙葉のスマホ、机に置きっぱなしで。だからどこに行ったのかわかんなくて」