あれこれ考えながら昇降口を出る。


するとそこで、いきなりうしろから声をかけられた。


「あっ! 乙葉ちゃんじゃん」


その声にギクッとして振り返ると、そこにいたのは大島くんで。


「お、大島くん……っ」


彼とは宿泊学習以来なので、なんだかちょっと気まずい。


でも、大島くんはあの時のことは特に気にしていないのか、ニコニコしながら。


「今日はまた可愛い髪型してるね~。そのリボン、すっごく似合ってるじゃん」


私が髪に着けていたリボン付きのシュシュを、すごく褒めてくれた。


「あ、ありがとう」


「あっれ~? もしかして一人なの?」