気を取り直し、一人でカバンを持って教室を出る。


そういえば、眞白くんの姿が見当たらないけど、もう先に帰ったのかな?


それか、もしかしたら女の子に呼び出されてるのかも。眞白くんも、すごくモテるから。


昨日の眞白くんからの告白を思い出すと、今でもちょっとドキドキする。


眞白くんは、私の気持ちを知ったうえで伝えてくれて、結局は楓くんとのことを応援してくれたんだよね。


そう思うと、なんだか少し罪悪感のような気持ちがわいてくる。


ごめんね、眞白くん……。


眞白くんのことはすごく大切だし、大好きだけど、それは恋愛感情とは違うから。


眞白くんと話したおかげで、私は楓くんのことが好きなんだって、あらためてわかったから。


せっかく彼が背中を押してくれたんだし、やっぱり楓くんとちゃんと仲直りしなくちゃダメだよね。


さっきは由良ちゃんと約束してたみたいでタイミングが悪かったけど、夜でもいいからなんとかして、二人で話す時間をつくりたい。


いっそのこと、またお菓子を作って渡そうかな? それとも、寮で待ち伏せてみるとか……。