パパに紹介されて、その九条さんという方に向かってぺこりと頭を下げる。


「は、はじめましてっ。四ノ宮乙葉といいます」


すると彼は、ニコッと優しく微笑んでくれた。


「はじめまして、君が乙葉お嬢様か。噂通り、とても可愛らしい娘さんだ。は僕は九条(すすむ)という者でね、君のお父さんの大学時代の友人で、警察官をやっているんだ」


「そ、そうなんですね。よろしくお願いしますっ」


すごい……。たしかにすごくしっかりしてそうな人だとは思ってたけど、まさか警察官だったなんて。


すると、お父さんも誇らしげに語り出す。


「そうだ乙葉。彼、九条くんの一族は代々警察の幹部を務めるエリート警察一家でな。彼の父親はなんと警視総監(けいしそうかん)で、彼もこの歳にして警視なんだ。すごいんだぞ」


正直警察のことは詳しくわからないけれど、とりあえず今の話で、九条さんが警察の偉い人だということはよくわかった。


ところで、この二人の男の子は一体……と思っていたら、お父さんが続けて語り出す。

「実はな、今回彼の双子の息子くんたちが、乙葉のボディガードを引き受けてくれることになったんだ。彼らも乙葉と同じ音羽学院に入学予定だというから、ちょうどいいと思ってな」


「えっ!」