楓くんとはそれ以来気まずくなって、顔を合わせてもあまり話さなくなってしまった。


朝だって、いつも三人で登校していたはずなのに、楓くんは先に教室まで行ってしまうし、なんとなく避けられている感じがする。


今までは私が一人で行動しないように常に付き添ってくれていたけれど、今はそれも眞白くんにお任せという感じで、まるで楓くん自身は私のボディガード役を降りたみたいになってしまった。


だけど、こうなったのも全部、私のせい。


『楓くんは、由良ちゃんのことを守ってあげてよ。私のことはもう、守ってくれなくても大丈夫だから』


あんなの全然本心じゃなかったのに。


どうしてあんなことを言ってしまったんだろう。


楓くんが離れていきそうで怖かったくせに、自分から彼を突き放してしまうなんて、本当にバカだよね。


ついこの間までは、いつも彼が私のそばについて、守ってくれていたのに。


どんな時だって、私が困っていたら楓くんは必ず助けてくれたのに。


そんな彼の優しさをも、私は無下にしてしまったんだ。