【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!

ふと眞白くんが楓くんに尋ねる。


すると、楓くんは絆創膏を貼った自分の右手に目をやって。


「あぁ、べつに大したことねぇよ。ただのかすり傷だし」


その手を見たら、あらためて体育の時のあの光景を思い出してしまう。


楓くんが必死に由良ちゃんをかばったあの姿を。


思わずシュンとした顔でうつむいたら、そんな私に向かって楓くんが声をかけてきた。


「乙葉?」


「えっ」


「どうした? なんか今日、あんま喋んないけど」


ストレートに聞かれて、ギクッとする。


ウソ、どうしよう。元気がないの、バレちゃったかな?