【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!

5時間目の体育は、体育館での授業だった。


男子の種目はバスケ、女子はバレーで、それぞれ体育館を半分ずつ使って試合を行う。


運動が苦手な私はさっそく一試合目に参加したものの、ほとんどボールに触れることなく終わってしまい、二試合目を体育館の隅で見学中だった。


目の前では、白熱した試合が繰り広げられている。


その中でもひときわ目を引くのが、あの由良ちゃんで。


「ひゃーっ。由良ちゃんすごいね~。あのルックスで運動までできちゃうとか、何者?」


隣で一緒に見ていた夏帆ちゃんも感心したように声をあげる。


私も彼女の完璧ぶりにはただ圧倒されるばかりで、そのキラキラした姿を見るたびに、なぜだか胸がチクチク痛むのだった。


なんだろう。これじゃまるで、自分と由良ちゃんを比べているみたいだ。


由良ちゃんみたいな完璧な子と比べても、勝ち目なんてあるわけがないのに。


勝手に劣等感を感じたりして、おかしいよね。