腕を組みながら私をじっと見下ろしてくる由良ちゃん。


私は何も言えなくて。


だけど、彼女がそう言いたくなる気持ちもなんとなくわかるような気がした。


だって、私が九条兄弟にボディガードをしてもらってること、よく思わない人たちはたくさんいるし。


私だって、いまだに恐れ多い気持ちがあるのに。


彼らと幼なじみである由良ちゃんからしたら、再会したとたんいきなり私が二人と一緒にいたら、複雑な気持ちになるのも無理はないよね。


かといって、謝るわけにもいかず、どうしていいかわからなくて、思わず下を向く。
そしたら由良ちゃんは、そんな私を見てフッと鼻で笑ったかと思うと。


「あなた一人のためにボディガードは二人も必要ないわ。だから、楓は私のボディガードになってもらおうと思う」


「えっ?」


ウソ……。今、なんて?