【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!

いやもちろん、本気で言ってるわけじゃないのはわかってるんだけど。


ウソでもこんなことされたら、ドキドキしちゃうよ……っ。


目の前にいる男は、なんとも言えない表情を浮かべたかと思うと、悔しそうに大声をあげる。


「く、クソーッ! イケメンめっ」


そして、そのまま逃げるようにどこかへ去っていった。


ホッとしたのもつかの間、楓くんが腕を離し、呆れたようにため息をつく。


「はぁ……。ったく、ちょっとでも目離すと男につかまるよな、お前」


それを聞いて、一気に申し訳ない気持ちになる私。


「ご、ごめんね」


「いや、乙葉のこと一人にした俺がバカだった」