【完】ふたごのイケメン兄弟は、過保護にわたしを溺愛中!

言われてハッとする。


そっか。これから電車に乗って出かけるんだった。


楓くんは持ってるのかな? というか、みんな持ってるものなの?


「も、持ってない」


「マジかよ。じゃあ作るしかねぇな」


「というか私ね、実はあんまり電車に乗ったことがなくて……」


そこで私が正直に打ち明けたら、楓くんはギョッとしたように目を丸くした。


「はっ? ウソだろ。なんで?」


「パパが、電車は人が多くて危ないから使うなって。いつも出掛ける時は運転手さんが車を出してくれてたから」